※本工法は真空圧密技術協会で共同開発した技術です。
周辺地盤の変状軽減
真空圧を保持しながら適切な管理を行って盛土を施工することで、従来の載荷盛土工法のような地盤のすべり破壊の恐れはありません。
盛土施工時の周辺地盤の水平変位は、真空載荷に伴うもの(内向き)と盛土によるもの(外向き)とが相殺され小さくなります。また、周辺部に発生するクラック(分離ゾーン)による縁切り効果で、従来工法に比べて周辺地盤の変状範囲は限定されます。
ただし、改良領域内に中間砂層が挟在する場合は影響範囲が広がりやすい特性を有しているため、近接施工や周辺地盤への影響を抑制する必要がある場合には、引込み沈下対策または、周辺地下水の低下抑制するための補助工法が必要になります。
気水分離方式を開発し安定した高真空を実現
気水分離方式の導入前は、改良域外に設置された真空駆動装置の分離タンクで、水と空気を分離していました。
したがって、沈下に伴って水の揚程が大きくなりことで、真空圧の経路が水の塊で妨げられ、真空載荷圧(シート下の真空圧)が低下する「真空載荷圧の低下」が問題となっていました。
この問題を解決するために、「気水分離方式」を真空圧密技術協会は開発し、採用いたしました。
気水分離方式は、改良地盤の上部に設置した主分離タンク・副分離タンク(ともに排水ポンプ内臓)で、軟弱地盤から吸い上げた「水と空気」を分離する方式です。
この方式の採用によって、真空圧密で最も大切な「安定した高い真空圧を、地盤に作用させ続ける」ことが、確実となりました。