三次元反射法地震探査は、地下の地質構造を三次元的(空間的)に把握すること目的としています。本手法により、断層形態(走向や落差変化等)、堆積相の層厚変化や石炭等の資源の分布状態が明らかになります。
また、ボーリング調査等の地質調査計画策定を目的とした事前調査としても実施しています。
三次元反射法地震探査の特徴
本探査は、受振点および発振点を格子状に配置し、1受振点で360度の方向からの反射波を取得し、解析により三次元の地質構造を把握する手法です。
また、以下の特徴を有しており結果として、より高精度な地質構造を得ることができます。
【特徴1】ニーズに合わせた地下情報の提供 探査可能下端深度は、ファーオフセット距離(震源と一番端の受振点間距離)に相当し、水平方向の分解能は反射点間隔(発振点と受振点の中点)によります。 特徴として、反射点間隔およびファーオフセット距離を設定することにより、仕様やニーズに合った深度の地下情報を提供できます。 |
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【特徴2】非破壊震源への移行 従来の火薬震源から非破壊震源へ移行し、特にスイープ電源であるバイブレータ震源が主流となりました。 スイープ電源の特徴は、帯域幅を持った周波数(スイープ周波数)を制御できることから観測前のテスト発震に、より最適な周波数を設定できることです。 また、表層の地盤状況により発震時間(スイープ長)を調節することで、より効率的にエネルギーを地中に伝播することも可能となりました。 |
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【特徴3】データ収録装置のデジタル化 データ収録装置は、デジタル方式(テレメトリー方式)になりました。デジタル方式により、波形データは、受振器近くに設置するステーションユニット(A/D増幅器)でデジタル変換後、ノイズ等の影響で波形が歪むことなくデータ収録装置へ転送され、S/Nの高いデータ取得が可能となりました。 |
探査結果
三次元反射法地震探査は、地質構造を三次元で把握することが可能であり、解析ホライゾンの空間的な広がり、断層の傾斜や走向、規模などを視覚的に把握することができます。
例えば、断層の解析結果は三次元情報として蓄積されるため、要注意箇所付近などでは任意の地点・方向で断面を切り出すこともでき、調査後に実施される各種開発工事の設計に大いに役立てることが可能です。
適用実績
・断層構造を含む地質構造調査(H9,H13,H21:国内)
・石炭資源探査(H13:オーストラリア)
| 概要 | 三次元反射法 |