日本火山学会の学会誌「火山」に当社社員が論説を発表しました

 日本火山学会が年4回発行している学会誌「火山」の最新号である第67巻 第1号に、当社関東支社の筒井正明が鹿児島大学地震火山地域防災センターの小林哲夫氏(鹿児島大学名誉教授)と共著で論説「霧島火山群、大幡山及び大幡池の噴火史」を発表しました。

 大幡山及び大幡池は、鹿児島県と宮崎県の県境に位置し、多数の火山が重なり合う霧島火山群の中央部にある火山です。これまで溶岩以外の火山灰や軽石、火砕流の存在は知られておらず、過去の活動について十分に判っていませんでした。堆積物が観察できる場所がほぼ登山道沿いに限られることに加えて、火口近くは植生に乏しく急勾配なために堆積物の保存状態が悪く、山麓の堆積物と産状が異なる場合も多く対比が難しい、といったことが大きな理由です。そのため登山道以外の谷沿いや崩壊地内部の観察、火口近傍を含めた連続的な露頭確認が重要と考えて、丹念な地質調査を実施しました。本論説では、調査によって把握した火山灰等の分布や特徴から、過去の噴火様式や規模、活動年代を明らかにするとともに、未解明の課題を報告しました。

oohatayamakazan   「火山」はJ-STAGEによりオンライン公開されていますので、以下からご覧いただくことができます。
   https://www.jstage.jst.go.jp/browse/kazan/-char/ja
   https://doi.org/10.18940/kazan.67.1_21

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